『BLUE GENDER』『BLUE GENDER THE WARRIOR』

BLUE GENDER』(以下「本編」という。)は1999年から2000年にかけて放送された2クールのロボットアニメで,『BLUE GENDER THE WARRIOR』(以下「新版」という。)は本編を一部再編集し,シナリオを大きく書き換えた2002年のアニメ作品である(映画なのかOVAなのかは不明)。

20年前の深夜アニメであり,エログロ描写が多い。そして敵も味方もそれ以外もあっけなく死ぬ。主人公の祐司とヒロインのマリーン以外は事あるごとに本当にあっけなく,ある意味リアルに死んでゆく。

本作は謎が多い。本編のラストは無理やり整合性を付けて終わらせようとしたために不完全燃焼になったように感じたため,その埋め合わせをすべく新版を観たのだが,新版はシナリオが変わったことで一層謎が多くなって終わった。

新版の良いところを挙げるとするならば戦闘等の描写のテンポが良くなったことくらいで,その他の点はまだ本編の方が分かりやすく丁寧であったように思う。新版では本編であった事件や人物をかなりの割合でカットしているから,人間ドラマや心理の動線が良く言えばスッキリし,悪く言えばペラペラになっていた。戦闘シーンも継ぎ接ぎされていたため,同一シーンにも拘らず機体は同じでも迷彩が異なる部分も存在した。

本編視聴時は8話位からのマリーンの心情の変化が面白かったため最後まで通しで視聴したのだが,システム的な云々は別として,登場人物の心理描写は良い作品だったように思う。アリシアが本当に可哀想。

ロボットアニメではあったがそこまでロボットに焦点が当てられているかというとそういうわけでもなかった。人型ロボットは総称してアーマーシュライクと呼ばれていたが,タイプ別の機体名はスリーパー用のダブルエッジ以外結局理解できなかった。どの機体もコックピットが半分剥き出しである意味は分からなかった。

作画は全体を通して安定して良かったと思う。祐司の髪形がありえないほどダサく,マリーンもそれに負けず劣らず変な髪形をしているのだが,にも拘らず綺麗なマリーンの美形さは異常だと思う。

全体的にもっとテンポを速めるか,あるいはもう1クール追加して切りの良い終わり方を模索してほしかった。