安い朱肉とそこそこ安い朱肉は違った

少し前から私の家に朱肉がすっかり乾いてしまっているのが気になっていた。判子の功罪はともかくとして,現実はいまだに何をするにしても署名押印が付いて回っている日本社会である。4月になって新年度が始まり,また様々な書類に判子を押す機会も増えるだろうということで,これを機に家に備え付けるための朱肉を買うことにした。

はじめは朱肉など印影が見えれば何でもいいだろうと思って100均のものを購った。持ち帰って早速試しに捺印してみれば,インクは割合すぐに乾燥したものの,酷くにじんでしまった。これでは浸透印使用可能な書類であっても印影不鮮明で突き返されかねない。

そこで今度は近場のディスカウントストアで売られていた700円位の朱肉を改めて購入してみた。こちらを使ってみると,100均のものに比べてインクが乾くまでに幾分かかかったが,にじみは大分抑えられていた。こちらであれば普段使いに耐えるであろう。

たかが朱肉,されど朱肉である。100円分は安物買いの銭失いということになってしまったが,安すぎる朱肉は用に立たないかも知れないという教訓を得ることができた。7倍の価格差は満足度からすれば特に気にならない違いだった。これからも何か購入するときは安物の質でその後困ることがないか気にかけていきたい。